こんな悩みを解決
- テレビ番組制作の流れ(作り方)を知りたい
- 各セクション事のADの役割は?
以上の悩みを解決出来る記事を用意しました!
テレビ業界で10年以上働いている現役ディレクターの僕が実体験を元に、
テレビ番組が出来上がるまでの流れをADからの視点でわかりやすいように解説していきます!
テレビ業界で働こうか悩んでいる方は、ぜひ読んでみてくださいね!
テレビ番組制作の流れ(作られるまで)を解説
一言でテレビ番組と言っても、
- ドラマ
- ドキュメンタリー
- バラエティ
- 情報・報道
- 映画・アニメ
など様々なジャンルがありますが、
ここではテレビ番組の大多数を占めるバラエティ番組においての番組制作の流れについて説明していきます!
ちなみに最初にバラエティ番組のADを経験すると、
情報やドキュメンタリーのような他のジャンルでも活躍する事が出来るので、
最初に経験するジャンルとしては、バラエティ番組を強くおすすめします!
番組(企画)の決定
番組の企画がテレビ局の編成(※各番組の放送順を決定する部署)に通ると、番組を制作権利が与えられます。
基本的にテレビ業界では年齢や歴は関係なく、
企画を通した人が総合演出(※映画やドラマで言う監督のようなもの)になる場合が多く、
業界歴1年目のADでも企画さえ通れば演出のトップになる事が出来るんです!
ちょうどフジテレビの『99人の壁』を企画した千葉悠矢さんも、
フジテレビ入社2年目で総合演出になりました。
かなり夢がありますよね。笑
テレビ局の社員はともかく、制作会社のディレクターが番組の総合演出になるには企画を通すしかないので、
ADの頃から『こんな番組ができれば面白そう!』と考えておく事をおすすめします。
リサーチ
番組が決まれば、次にADがする事はリサーチ(情報収集)作業。
番組内の各コーナー(ネタ)を成立させる為に必要な情報を集めていきます!
仮に『東京で美味しいラーメンTOP3』という内容でリサーチをするなら、
まずはどういう基準でTOP3と断定するかを考えます。
- 食べログの評価
- ラーメン好き○○人が選んだ
- 美食家○○が選んだ
- 人気ラーメン店○○が選んだ
他にも色々あると思いますが、肝心なのはTOP3という事を誰が背負ってくれるかという事。
「視聴者が○○が言ってるなら番組を見てみたい!」と思った人orお店に取材をお願いする事が重要です。
ロケハン(下見)
撮影場所や紹介する物が決まれば、ロケ本番時に慌てないようにロケハン(下見)に行きます。
番組によればディレクターが一人で行っちゃう事もありますが、
本番当日に先方とやりとりするのは基本的にADの仕事なので、本番前までにロケハンに行く事をおすすめします。
主に確認する事は以下の通り。
- おおよその撮影時間の相談
- 動線の確認
- 撮影時に出演する人の人数
- 店内での撮影場所(スペースの確保)
- 紹介する商品
この時点で台本はまだ完成していないでので、ディレクターと相談しつつこのお店出来る事を先方と相談します。
スケジュール作成
実は、スケジュールの作成もADの仕事。
ロケハンした情報をもとに、ロケスケジュールを作成します。
○○時〜○○時の間は本番①、終わり次第移動、スタンバイ、本番②へ〜みたいな事ですね。
スケジュールは主に外部の方の為に作る物なので、特に重要な事は何時に誰が入って、何時に誰が帰るのか?という事。
特に外部のスタッフはもちろん、出演者の方は拘束時間を気にされる方が多いので、
入り時間や終わり時間内にゆとりを持ってスケジュール作成をする事が大事です。
ロケ準備
主にロケ前日の準備するものは、以下の通り。
- ロケ台本印刷(台本・ロケスケジュール・地図など)
- カンペ
- ADバッグ(筆記具やテープ類)
- 美術品
- お弁当
- 技術(カメラマン・照明・音声)・ロケ車などの手配
その他、再現ドラマを撮る際はエキストラなど、ロケを進行する上で必要なスタンバイをADが全て担います。
特に細かな段取りやロケで使う小道具など、ディレクターの台本が上がらないと全ての準備が完了しないので、
早くもらえるようにディレクターせっつくのが非常に大事だったりします。笑
番組にもよりますが、基本的に前日は寝れないと思った方が無難です。(※仮眠ぐらいはとれるかも。)
ロケ本番
テレビ業界未経験だと良く勘違いする事あるのですが、
ロケを仕切るのはプロデューサーでもディレクターでもなく、実はADなんです!
もちろん出演者への説明や、演出に関わる指示(カンペなど)はディレクターなのですが、撮影の進行はADの仕事。
- ロケ先・技術スタッフへのスケジュール説明
- 動線の確認
- スタート位置確認
- 撮影中の物だし
- 撮影が2件目もある場合は、次の現場に遅れないように時間管理
などなど、各スタッフや関係者が滞りなく撮影出来るのがADの一番大事な役目。
ロケスケジュールをADが作成するのにもこういう理由があるんです!
番組収録
事前に収録前にロケに行った素材をディレクターが仮編集作業を行い、
スタジオに来てもらうゲストに向けてスタジオ内で流します。
番組収録では基本駅にフロアディレクター(FD)という肩書きのディレクターがスタジオを進行するので、
ADとしての主な仕事はほとんど無いです。笑
- とにかく大声で笑う(出演者のテンションを上げる為)
- 物出し
強いていうならこのぐらい。
後は、ディレクターの近くにいて随時サポートする形になります。
本編集
- 収録前にディレクターが編集作業したデータ(※サブ出し)
- スタジオ素材
本編集は、上記2つを合わせて編集し、放送尺へと調整する事。
基本的には、各ロケに行ったディレクターが再度放送用に修正し、
演出と呼ばれる肩書のディレクターがスタジオ素材と合わせて仕上げていきます。
この期間の際にディレクターからADへとお願いされる仕事として、
- 写真やイラストの発注
- 新聞記事・雑誌等の2次利用の申請
- テレビ局にあるアーカイブ映像(過去に放送した映像)の申請
など、各素材の許可取りがメインの業務になります!
ほとんどは、ディレクターが事前にオフライン(※Mac上で編集したもの)上で黒みに文字を入れて指示してある事が多いので、先回りして動く事が重要です。
MA(音を入れる作業)
演出担当のディレクターのオフラインが終わった後は、
MA(マルチオーディオ)と言って音の編集作業に入っていきます。
ここでは事前に音効(カット事に音やBGMを選ぶ人)からもらった音データを
MA室でミキサー(映像と音を合わせる人)が目の前で調整していきます。
- 音と映像がズレていないか?
- ボリュームの上下
- 音のスタートや終わりの調整
など、ディレクターやプロデューサーの前で細かく整音していきます。
また、ナレーターさんを呼んでナレーションを読んでもらう作業もこのパートになります!
オンエア
MAでの作業が無事完了したら、編集作業は全て終了です!
最後にHDCAMやXDCAMと言ったテープに、
Recした物をテレビ局まで持っていき、担当部署へ納品すれば、無事番組制作は終わりです。
お疲れ様でした!
まとめ:テレビ番組は様々な人の協力で成り立っている。
テレビ番組の制作って大変ですよね。笑
でもなぜこれだけの人が関わっているかというと、皆テレビが好き。これにつきると思います!
ざっくりにはなりますが、番組制作の流れを理解してもらえれば幸いです。
でわでわ